●当ブログでは不定期連載「ゾンビと私」として、2009年より折にふれて現代を襲うゾンビ禍について考察してきたのであるが、先日asahi.comに掲載された記事「襲われたい?ゾンビがブーム VRに小説、イベント続々」には軽く驚いた。いま、ゾンビがブームになっている、東京ジョイポリスでゾンビ系アトラクションにみんなが夢中だ、テレビや映画でも大人気。そんな肩の力が抜けたトーンで、どこか他人事というか、来るべきZ-dayへの危機感がまったく感じられない。こんな記事が出てくるということは、裏を返せばゾンビの脅威は過去のものになりつつある(とみんなが思っている)証拠なのかもしれない。記事中でゾンビアイドル(ってなに?)の女性が「ゾンビがはやったおかげで滞納した国民年金も払えた。真人間になれた」とコメントしてて、むしろゾンビのおかげで人間になったというまさかの逆転現象が起きているのが興味深い。ゾンビ・ブーム→国民年金払う→人間になる。新たな救済スキームの誕生だ。
●少し興味をひいたのは記事中に紹介されている「ゾンビラン」という米国発祥のイベント。「追うゾンビと逃げるランナーに分かれて走る」という。その日に向けた練習という意味ではいい線を行っていると思うのだが、「逃げるランナー」として走るのはともかく、「追うゾンビ」になって走るというのは意味がわからない。ゾンビになりたくないから走るのであって、わざわざゾンビになって走る練習をする意味はないと思う。ゾンビになったら、勝手に走る(あるいは歩く)し、勝手に噛みつく。公式サイトを見たら、「ゾンビランのあとはパーティで盛り上がろう!」みたいなノリで、自分は明らかにお呼びじゃない。そっとページを閉じた。
zombie: 2017年4月アーカイブ
April 20, 2017
ゾンビとわたし その34:ゾンビがブームに
>> 不定期終末連載「ゾンビと私」