あの映画のおかげですっかり有名になった本物のカストラート。邦題が「カストラート」で、原題が「ファリネッリ」だっけか。件の映画では、ファリネッリの声を、かのIRCAM(充実のホームページあり。Classical Music Linksに入ってます)が人声からコンピュータ合成したってのが話題になった。映画のほうは未見なのでビデオ化を待つ。ナポリ生まれ。
モーツァルトと同時代っすね。イタリアの作曲家。で、リスナーにはあまり人気ないかも。でもピアノを勉強した人には結構なじみめ。もう初心者向けの練習曲山ほどあり。左手でドソミソ・ドソミソ……(アリベリティ・バスって言うんでせうか)頻発。じゃあ練習曲以外ではどんな曲を書いたんだろうかと思って一度CDでピアノ協奏曲だったか何だったかを聴いたら、やっぱりドソミソ・ドソミソ……であんまり変わらんかった(笑)。あっ、でもウゴルスキとかホロヴィッツなんかもレパートリーにしてたっけか、たしか。だとするともうちょっとシリアスな曲も聴かなきゃってことか。そうだよなあ、ベートーヴェンに影響与えた人だもんな。
1月21日というのは音楽家誕生の特異日で、このショーソン、ドミンゴ、さらにはデュパルク(フランスの作曲家。ワーグナーの影響甚大)までいる。で、ショーソンと言えば、まず「詩曲」。ヴァイオリンとオーケストラのための曲で、イザイに献呈されたという、その名の通りポエジーな1曲。あとは「ピアノ、ヴァイオリンと弦楽四重奏のための協奏曲」なんて変な編成の曲(ピアノ六重奏曲って言っちゃダメなんだろか、やっぱり)があったり、デュパルクに献呈した独唱+管弦楽の「愛と海の詩」なんかも良さげ。44歳で事故死。
ご存じ、3大テナーの一人。さすがに誕生日となるとヨーロッパ・アメリカはもちろん日本とか韓国なんかからもお祝いが殺到するんでしょうか(あらかじめ書いておくけどプレゼントの送り先なんか聞かれても全然知りません。念のため)。3人ともに言えるんだけど、女性ファン、それもややリッチ系の方々がしっかり付いているんではないかと。杉サマとか龍サマなんてレベルじゃないっす。とまあスターになると余計な方向に関心が行きがち。もうキャリアのほうは言うまでもないってことで。マドリッド出身。
フランスの作曲家。内務省のお役人出身。役所務めの傍ら作曲をしていたが40歳を前にして脱サラを決意(ワーグナーがきっかけだったそうだ)、専業作曲家になってしまった。狂詩曲「スペイン」がファリャをも唸らせるスペインぶりで有名。
ジョン・ケージをはじめとするアメリカの実験主義音楽畑にあって、その寡黙さ、点描的な音の使用で独自の位置を占める作曲家。とにかく「静謐」。音符少なげでダイナミクス抑制。それでいて4時間とか6時間を要する曲まで書いている(聴いたことないけど)というから偉大だ。図形楽譜の最初に使ったことでも知られている。CDは国内盤では非常に少ないが、輸入盤には数多い。ニューヨーク生まれ。
今世紀のフランスの代表的な作曲家の一人。センス良さげでグレート。バレエ組曲「牝鹿」、「オーバード」(朝の歌)、ピアノと管楽のための六重奏曲、オーボエ・ソナタ、歌劇「カルメル派修道女の対話」、カンタータ「人間の顔」等々。
荒俣宏他編の「神秘学カタログ」にも載っている作曲家である。ロシアはモスクワの生まれ。神智学協会会員。ソナタ第9番「黒ミサ」や練習曲、前奏曲といったピアノ曲を中心にしつつも、交響曲第4番「法悦の詩」他のシンフォニーもまずまずの演奏頻度。神秘主義者として知られるものの、その文脈で今聴かれているとは言いがたく、一般にはその陶酔感・官能性や当時における前衛性などが愛されているような気も。だから、日本人の多くが霊魂を信じ、アメリカ人の過半数が悪魔は実在すると考える現代に特にふさわさい、なんてことにはならんと思う。
気がつけば巨匠。ベートーヴェン、モーツァルト、シューベルト……といったドイツ・オーストリア系のレパートリーが中心の知性派。ショパンをまったく弾かない。かつてハイドンのソナタ全集を録音したとき、「これらを聴いて笑いが起きなければ私の演奏意図は失敗したことになる」といったようなことを言っていた。でも、これはリアルじゃない。たとえハイドンにユーモアを感じても、それで笑えるほど日本の若者はナイーヴではない(ダウンタウンやナイナイに笑うってのがリアルなり)。つまり彼はヨーロッパの真摯で伝統的な価値観を大切にする人なのだ。
作曲家で夭逝の天才とくればペルゴレージ。26歳で没だからね。イタリアはナポリの生まれ。その夭逝が伝説を生み、死語もペルゴレージ作とうたわれた偽作続出。中でも有名なのは、弦楽合奏のためのコンチェルティーノ集「コンチェルト・アルモニコ」。匿名で出版されたんだが、その美しさゆえにペルゴレージ作ではないかってことで話が勝手に伝わったらしい。今ではこの作品はヴァッセナール伯ヴィルヘルムの作品ということで落ち着いている。もちろん作品の価値に変わりはなく、演奏機会も多い。あっ、もちろんペルゴレージ自身には「スターバト・マーテル」という決定的名作があります。あとは「サルヴェ・レジーナ」、あるいはオペラ・ブッファの名作「奥様女中」ってところがポピュラーめでしょうか。
チェリストで伝説と言ったらこの人。書かれ尽くされてます。バルセロナ・オリンピックの時に、新聞に全面広告が出てて、その時バルセロナ(カタルーニャ地方)はこんな偉大な芸術家たちの縁の地でありますなんてのがあった。その時はわざわざカタルーニャの言葉でパウ・カサルズとかジョゼ・カレラだっけか(ホセ・カレーラス)そういうカタカナが並んどりました。カタルーニャとカスティーリャのこの辺の民族意識の違いはやっぱりバルセロナ対レアル・マドリッドの試合(もちろんフットボール)でも体験しないと我々にはわからんのかな、と。
アメリカの作曲家、教育者。12音技法も使った作曲家である。95年に没後10年、続いて96年には生誕100年のアニヴァーサリーを迎え、ここで盛り上がらなければ当分浮かび上がれそうもないという瀬戸際である(笑)