2004年1月アーカイブ

January 30, 2004

拷問歯科医は「マラソンマン」だったよ

marathonman.jpg●三日ほど前にここで「昔見た、歯医者に拷問される映画」について書いてたけど、微妙に記憶が違ってたみたい。その映画、ダスティン・ホフマンが主演してた「マラソンマン」っすね。何も知らない主人公に宝のありかを吐かせるために、元ナチ戦犯の宝石商(ローレンス・オリヴィエ←かなり萌える)が、「ワタシは以前歯科医だったんだよ。ほうら、この虫歯の神経を刺激すると痛いだろう? うりゃーー!」ってやるんだった(怖すぎる)。なんで思い出したかっていうと、昨日偶然ビデオで見たから。なんつうシンクロニシティ。
●で、このジョン・シュレシンジャー監督の「マラソンマン」(76年米)、ワタシはリアルタイムで観ている世代じゃないけど、昔テレビでなんども放映してたから記憶はあった。「くたばれ!ハリウッド」のロバート・エヴァンズのプロデュース作品でもある。今になって観たからこそおもしろいと思えるところは多々あって、サスペンス、ロマンス、家族、青春、孤独、恐怖、痛み、階級、ナチスとユダヤ人と、盛りだくさんのテーマが詰め込まれているのに、脚本がよく整理されていて大変わかりやすい。スゴいなあ。
●微かにネタバレになるかもしれないけど、これは知性と勇気に恵まれた若者が、いろんなものを得たり失ったりしながら、また最後に知性と勇気以外に何も持たざるマラソンマンにもどっていく話なんすよね。恋人も家族も失ってなお喪失の物語にならないのは、これがあらゆる可能性を持った若者のビルドゥングス・ロマンだから。父の形見の銃を捨てて走り出すシーンなんてまさにそう。もし観たことないなら(特に若い人に)強くオススメ。(01/30)

January 29, 2004

移籍のルール

●昨日の朝日新聞朝刊のスポーツ欄。清水エスパルスの戸田がオランダのデンハーグにレンタル移籍することになって、見出しは「画期的な移籍金ゼロ」。レンタル移籍で移籍金がゼロなのは当然でしょうが(苦笑)。所属はエスパルスのままなんだからさ。
●続いて記事は、最近の欧州の移籍で移籍金ゼロのケースがかなり多いことを述べ、「日本では選手を売って移籍金を得るのはまだ当然の権利だという意識が強い。だから、欧州の代理人の間では、『日本人は高くつく』というのが共通認識となり」などと書いてあってびっくり。その欧州の移籍金ゼロって、単に契約切れの選手だからなんでは。
●欧州では、3年契約の選手が3年経ったら、契約終了だから移籍金ゼロでどこにでも移籍できる。なので、クラブは選手を無料で奪われないように、契約があと1~2年になったら、現在の契約を合意の上で破棄して、新たな3年契約とかを結びなおす。つまり、ベッカムやトッティのようなスター選手の場合、ずっと契約は満了しない。その契約を破棄して移籍を実現させるためには、欲しいクラブが所属クラブに移籍金を払う(=選手を買う)。
●一方、「このクラブはヤだから移籍したいなあ」と思っている選手は、自分に高い値がつくと移籍しにくくなるので、クラブからの契約延長要求を拒んで、契約期間が終了するまで耐え忍び、晴れて自由の身になることもできる。クラブ側としてはそんなことをされて無料で持っていかれるのなら、じゃあ安くても売ったほうが得だと思って契約切れの前に移籍させてくれたりもする。このあたりは駆け引きっすね。いずれにせよ、選手の意に反して永久に移籍を封じ込めることはできないようになっている。
●で、日本だ。日本はおかしな慣行があって、契約切れなのに移籍金を要求する。これが欧州のルールと違う。日本のクラブは1年契約の選手が多いので、欧州の感覚からいえば無料の選手だらけ。ところがハンブルクがジュビロに高原の移籍金を支払ったように、契約切れ選手にも移籍金が発生している。この慣行を突っぱねて自由契約選手として海外へ渡ったのは元JEF市原の広山だけだと思う。
●契約切れの選手に移籍金が発生しているということは、選手は(解雇されない限り)永遠に自由契約になれない。契約切れが近いので移籍金が安くなるという市場原理も働かない。というか、契約が切れてるのに職場を変えられない選手の立場ってそもそもヘンなんじゃないか、EUじゃありえないよなあ。
●というのがワタシの理解だったので、件の記事はチンプンカンプン(←死語)。(01/29)

January 28, 2004

「レッツゴー!クラヲくん」 第5回

●連続ドラマ「レッツゴー!クラヲくん」 第5回

「クラヲせんぱぁーーい! クラヲ先輩って、クラシックのCDならなんでもお持ちなんだそうですね! 今度、女子十二楽坊のCD、貸してくださいっっ!!」

January 27, 2004

さらば、親知らず第2号

dentist.jpg●←ご自由にお座りください。

●ってわけで、抜いてきたですよ、歯。生涯二度目の親知らず抜歯。
●ほんっと、歯医者さんには感謝するしかないっすよね。誰だって感謝する。ワタシも感謝する。ああ、ありがとうございます、この痛み、苦しみからワタシを解放してくれて! 少々治療がしんどかったとしても、あの椅子から降りるときには心から「ありがとうございました」って言える。今回の歯医者さんも技術の面でも人間的にも信頼が置けて、何一つ不満はない。
●にもかかわらず、治療を終えて受付に向かうときに足取りがヨロヨロし、理不尽にも凌辱された気分になるのはなぜ(笑)。もうガンジーだって舌を巻くくらいに無抵抗、受付さんに何を要求されても従ってしまいそうだ。これから3時間歯を磨きつづけろといわれてもおとなしく磨きつづけるだろう。逆立ちしなさいといわれれば逆立ちする。ルパンのマネしてくださいといわれたら「フ~ジコちゃ~ん」って言っちゃう。金閣寺に火をつけろといわれたら新幹線で京都まで行く。なんだって従っちゃう。
●昔見た映画で、盗んだカネのありかか何かを白状させるために裏切り者を歯科医が拷問するっていう怖すぎるシーンがあった。これは怖い。歯医者の椅子を見た瞬間になんでも白状しちゃいそうだ。しかしもっと平和的かつ健康的な方法としては、すべての虫歯を治療して親知らずを抜いてやればいいんじゃないか。それだけで、裏切り者は絶対的な恭順の意を表してくれるにちがいない。 (01/27)

January 26, 2004

イギリス人の選ぶ……

●ユウスケさん(<はじめましてです)のブログ「メメンとモリ@New York」にあった「イギリス人の選ぶ名曲ベスト300」がおもしろかった。イギリスのclassic fmのリクエスト企画なのだが、上位5曲だけ引用するとこんな感じ。

1 ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番
2 モーツァルト:クラリネット協奏曲
3 ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番
4 ヴォーン・ウィリアムズ:揚げひばり
5 エルガー:チェロ協奏曲

 とまあ、お国ぶりが出てるんである。ブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番は英国では大変な人気曲らしくて、ワタシが見た別の企画では(出典忘れた)、イギリスでの人気曲堂々第1位の座を獲得していたりして、日本とはずいぶん趣味が異なる。いや、もちろん日本でも人気曲だけど、ベストテンには入らんですよ。
●で、英国関係で思い出したんだが、こういうのもある(ちょっとネタが古いけどご容赦あれ)。

最悪の英国人ワースト100

 こちらはテレビ局「Channel4」が実施。クラシック音楽系英国人としては、シャルロット・チャーチが21位に入る大健闘ぶり。アンドリュー・ロイド・ウェッバーの38位を上回っていて、世代交代が進んでいることを感じさせる(笑)。(01/26)

January 24, 2004

続・ブログになったのだ!

●テレビで小澤征爾指揮サイトウ・キネンのブルックナー7番。すばらしい。しかしこの曲の終楽章を聴くと、「シコ踏んでる力士」の絵が頭の中に浮かばんすか。ワタシはいつも浮かぶ。ブルの山~みたいな(なんだよそりゃ)。
●ここを「ブログ化」するきっかけとなったのは、新・東越谷通信が全面ブログ化されて「いいなあ」と羨ましくなったことであって、いろいろと参考にさせていただいた。多謝です。ブログは出来合いのサービスを借りてやれば手っ取り早いんだけど、自分でサーバーにインストールしてやるとなると、何かと大変っすね。そのあたりの「大変さ」の周辺に喜びと苦行が同居してて微妙なんだが。
●昨日の欄の最下部にTrackBack (3) とか入ってると思う。これがトラックバックというヤツで、説明が難しいんだが、まあ「リンクの逆」みたいなものっすね。クリックしてみればどんなものか、多少はおわかりいただけるのではないかと。早速トラックバックしてくださった方々、ありがとうございます。クラシック音楽系なブログはいくつかまとめてリンクしたいと思っているので、その存在を知ることができるという意味でもトラックバック歓迎っす>皆様。でもコメント機能はまだ様子見。
●トラックバックにもコメントにも共通して言えることなんだけど、ごく基本的な相互の敬意さえ保たれていれば「僕のサイトみたいなところがトラックバックしちゃ悪いし」みたいな遠慮は一切不要だと思うのだが、スパマーのような非礼や悪意を前提とした存在に対してははなはだ脆弱な仕組みなんだよなあ。

January 23, 2004

本日からブログになったのだ!

●イェエエエエーーーーーイ! 本日よりこのWhat's New! はブログ(ウェブログ)化されたのだっ! うおおお、コイツはなんとウェブ野郎魂を揺さぶってくれることか。URLも変更されたので、ブックマークな方、直リンな方はご訂正、よろしく。
●「は、ブログって何?」な方も多いだろう。そんな方にはとりあえず、「いろんな形でバックナンバーが参照できて、いろんなふうに相互につながる日記更新システム」と説明しておくとする。本質は全然違うかもしれないが、現状ではここはそんなもんだ。あちこち見ていただければ幸い。
●ブログ自体はもうかなり前から見かけていたのだが、その意味みたいなのがどうもピンと来なかった。いまも別にピンと来たわけじゃなくて(そもそもまだよくわかっていない)、単にこのツールに夢中になってしまっただけである。とりあえず今のワタシに見えるブログはどんなものかというと、とてもオープンで、エキサイティングで、独創的で、美しくて、理想的で、合理的で、おもしろくて、ややこしく、脆弱で、広まるとともに色褪せて、平凡で、知識の共有より不在を感じさせるもの、といったところだ(あれ、ネガティヴになってしまった)。つまり、これは9年ほど前にWWWに出会って当ページを書きはじめたときの興奮といろんな面でそっくりなんである。
●他にもいろいろあるんだが、今日はもうここまでたどり着くのに精一杯。ちゃんとしたブログ案内はまた改めることにしよう。つうか、まだわからないことだらけでもある。

January 22, 2004

Eat your own dog food

●Eat your own dog food という言葉がある。意味・用法はこちらにあるんだが、自分で作ったり提供したりするものは、自分自身で使ってみろってことだ。自分じゃ使わないものなら人はいくらでも無責任にも無思考にもなれる。そういう投げやりな「サービス」やら「プロダクツ」なんて、だれだってイヤだ。自分が作り手と同時に利用者の立場になれば、ちゃんと使えるレベルのものを提供しようって気になる。すばらしい。だからってドッグ・フードを食べなくてもいいとは思うが。
●しかしこの言葉を気に入って、人さまに薀蓄たれてやろうってときは、最後まで一息で言い切れるよう練習しておいたほうがいい。でないと、うっかり、
Eat your own dog.
で止めてしまってヤバいことになりそうな気がする。

January 21, 2004

バルセロナvsアスレティック・ビルバオ

●先週末のバルセロナvsアスレティック・ビルバオ、おもしろかったっすね。スペイン・リーグというとベッカム様のレアル・マドリッドの話ばかりになりがちだが、実はバルセロナも大変おもしろい。なにがおもしろいかっていうと、とにかくロナウジーニョ。毎試合超絶技巧を見せてくれて、この日は相手ディフェンダー二人に囲まれながらもリフティングをポンポンと10回近く続けながらボールを取られないというテクニックを見せてくれた。すげえ、すごすぎるよ。
●で、ロナウジーニョは「これはジダンでもできないだろう」という大技を気前良く披露してくれるが、ジダンと一味違うのは「主にその技が試合の勝敗と無関係で役に立たない」ってところである。毎週意味レス伝説プレイ。それを承知でロナウジーニョの技に立ち上がって熱狂し拍手するバルセロナ・サポーターは偉い。
●あと、ユヴェントスからオランダ代表のダーヴィッツがバルセロナに移籍してきた。いきなり先発出場してて、トレードマークのプロテクトグラスも健在である。緊張していたようである。まるで血統書付きの犬がそろったペットショップの中に紛れ込んで戸惑っている野犬のように見えた。
●ライツィハーのスローインは全部ファウルスローに見えるんだが。(01/21)

January 19, 2004

300万名様突破

●祝! トップページの通算アクセス数300万名様突破~!
●300万はスゴいっすよ。だって算用数字で書くと3000000っすよ。1回のアクセスで1しか回らないのに3000000。驚異的ですね。ま、そのうち299万回はワタシの自己クリックなんだけど(→ウソ、絶対に)。
●CLASSICAがスタートした時点では、「通算1500アクセス」とか言って喜んでいたのに(実話)、もう大変なことである。
●で、今回、記念投稿企画を予定しているんですが、まだ準備ができていないのでお待ちを。と思っていたら、勝手企画が始まっていたりする→ヲレサマ レコメンド。(01/19)

January 18, 2004

So-netによる本格音楽配信サイト

●昨年末にチョン・ミョンフン指揮東京フィルの「第九」がネットで生中継されたのをご存知だろうか。ネット上での音楽配信自体はとうの昔に珍しくもなんともなくなっているが、クラシック音楽に関してはなかなか注目度の高いコンテンツが出てこなかったので、ワタシとしてはこれはかなりインパクトがあった。
●で、この企画を行ったのがSo-netによる音楽配信サイトWonder Juke。日本のクラシック系音楽配信サイトとしては、かつてない本格派であることはまちがいない。詳しくはこちらのページにて→「So-netが仕掛けたネット音楽配信」。書き手はワタシではなく、音楽誌等でおなじみの山尾敦史さんにお願いした。(01/18)

January 15, 2004

スパムホイホイ! POPFile

●長かったスパム・メールとの戦いにも、ついに終戦が訪れようとしている。そう、日々100通以上のスパムを受信しているうっかり者のワタシだが、解決策を手に入れたのである! 以前に当欄でもご紹介したフリーウェアPOPFileがいつのまにか日本語にも対応されており、これが実に見事に動作してくれるんである。関係者のみなさまに深く感謝。
●で、その動作原理を簡単に。まずある程度の量のメールをスパムとそれ以外に手動で振り分けて、POPFileにパターンを「教える」。POPFileはメール中(ヘッダも本文も)に含まれる単語ひとつひとつに、スパム/スパム以外での登場頻度に応じてスコアをつける。で、それによってそのメールがスパムか否かを統計的に判断させる。これはベイジアン・フィルタの名前で知られている手法で、考えれば考えるほどよくできたすばらしいアイディアである。詳しくは、ポール・グレアムの「スパムへの対策 ---A Plan for Spam」をご覧あれ(これも前に親切な読者の方からご教示いただいたものである)。
●POPFileは様々なOSで動作するが、特にWindowsユーザーの方は手っ取り早く導入できる。ワタシが今までに手にしたフリーウェアのなかで一、二を争うほど感動的なツールであり、力コブを両腕に作りながら猛烈にオススメしたい。ただし、これを導入するにはそれなりにPCに慣れていることが必要で、Outlook Expressの設定を他人にお願いするタイプの方は近寄らないほうが賢明。以下、要点をいくつか。
●POPFileはメーラーではない。メーラーのプロクシー(代理)として動作する。現在使っているメーラーと併用することになる。
●POPFileはメールにスパムの徴となるヘッダを書き込んでくれる。それを自動振り分けするのはメーラーの役割である。
●日本語パッチを当てることが必要である。
●最初に少し学習が必要である(=最初は必ずまちがえる)。
●メールの言語(英語、日本語他)を選ばない。
●統計的な手法なので「絶対」はないが、今のところワタシの環境では99%前後の精度で「スパム」と「スパム以外」を振り分けてくれている!
●使っているうちに段々楽しくなってくる(笑)。
>> POPFile
(01/15)

January 9, 2004

シーズン・オフ

●うたた寝していた状態から、よーいドンで全力ダッシュするようなものっすね、年始ってヤツぁ。
●今ヘンリー・ジェイムズの「鳩の翼」(講談社文芸文庫)を読んでて、19世紀後半のロンドンの社交界が舞台になってるんだが、これに「夏のロンドンになど居られませんから」みたいな台詞が何度か出てくる。紳士と淑女からなる英国社会が舞台なので、登場人物が日常務めることといったら「社交」である(労働者階級の人間は基本的に人間として描写されない。昔の英国文学だからしょうがない)。が、この「社交」も夏になるとお開き、暑くてもうロンドンなんかにはいられないから、みんなスイスでもイタリアにでも出かけてしまう。
●なるほど、これが「シーズン・オフ」ってことなんだなと思った。人がいなくなって「社交」が終わるから、コンサートもなくなる。音楽界もシーズン・オフ。スポーツ界もシーズン・オフ。
●日本は違った歴史を持つから、サッカーは真夏でも試合をするし、正月にシーズン・オフが来る。選手は大変だけどこれは合理的っすね。夏は興行的に重要な時期だし、正月過ぎると寒すぎて野外のスタジアムで試合なんか観てられない。おまけに日本海側は雨か雪の日ばかり続くもんな。(01/09)

January 8, 2004

「嫌な渡世だなぁ……」

●先日ご紹介した森巣博の「神はダイスを遊ばない」にも出てくるんだが、諸外国のカジノの控除率(胴元の取り分)は2%前後なんだそうである。カジノにある遊戯はもっとも数学的に有利な戦略で賭けても、統計的に胴元が2%は勝つようにできている(つまり賭ける側は最適戦略でも2%負ける)。大数を扱う統計をベースにしたビジネスなわけで、仕組みとしては保険会社と似ている。
●で、翻ってニッポンのtotoだ。totoの胴元控除率は約50%である。どこに50%のテラ銭を要求する悪徳賭場があるというのか。現代に座頭市がいたら、「日本体育・学校健康センター」の役人は全員ぶった切られてると思うな(←っていうか座頭市は過去にもいねーよっ!)。(01/08)

January 7, 2004

カレン・ロバートに注目すれ

●基本的に高校サッカーには関心ないんだけど(学校スポーツだし)、市立船橋のカレン・ロバートには注目してるんである。プレイもいいが、キャラクターもおもしろい。お父さんが北アイルランド人で、国籍が英国と日本。で、名前が「カレン・ロバート」で見た目があんな感じ、でも英語は話せない。インタヴューで「日本と北アイルランドが試合したらどんな気持ちになると思う?」と聞かれて、「僕は北アイルランドになんも愛着とかないんで(笑)、日本を応援しますね」とか答えている。いいのか、お父さん。
●高校選抜の欧州遠征のときなんて、他にどこに遠征したいかと尋ねられて「どこにも行きたくないよ。日本が一番いいよ」「飛行機がまずイヤで、外国はゴハンが合わないし、あと言葉とかー」とか言ってて、見た目とギャップありすぎなのが楽しい。
●ジュビロはカレンと前田のツートップってのが楽しみだろうなあ。カレンはアウトサイドやらせてもいいかも。(01/07)

January 6, 2004

最近読んだ本から

●あっという間に正月も過ぎ去りやがって、気がつけばもう1月6日。今年も残すところあと359日となりました。
●最近読んだ本からいくつかを思いつくままに。「くたばれ!ハリウッド」(ロバート・エヴァンズ著/文春文庫)。「ゴッドファーザー」他で知られる名映画プロデューサーの自伝。型破りな人物が波乱万丈の人生を振り返っているんだから、そりゃ抜群におもしろい。映画化されて昨年日本でも公開されたが、東京では六本木ヒルズのみでの上映だったので、見逃してしまった(六本木は縁遠い場所なので)。「へぇ~」な映画史上のエピソードがたくさんあるのもいいけど、「元気の出る」話なのがよろしいかと。
「死ぬほどいい女」(ジム・トンプスン著/扶桑社)。「パルプ・ノワール」と形容される犯罪小説。他のトンプスン作品同様、邪悪な人物を主人公にしており、この救いのない「悪」が確信犯的なものではなくて、平凡な欲望、さらには怠惰といったものから生まれているというダメさかげんがワタシは好き。ただ最終章の小説的な仕掛けがちょっと古臭い気がするので、「ポップ1280」などほうがオススメ。
「ぼっけえ、きょうてえ」(岩井志麻子著/角川ホラー文庫)。ずっと気になっていたんだけど、やっと読めた。こ、これはあまりにも怖すぎる。史上最恐。もう夜中にトイレにいけない。
「数学で身につける柔らかい思考力」(ロブ・イースタウェイ、ジェレミー・ウィンダム著/ダイヤモンド社)。書名を見ると「ハウトゥー本」に思えるかもしれないが、全然違う。「なぜタクシーメーターは降りる直前に上がるのか」といった身近な疑問を、数学的にスパッと明らかにしてくれるパズルの種あかしみたいな本……を狙ったものだと思うんだが、全般にネタ自体が弱い。こういうのは一冊に「目から鱗」が2、3ヶ所くらいじゃ足りないんだよなあ。数式を避けているのも、かえって話が難しくなってしまっていて良くない。
「神はダイスを遊ばない」(森巣博/新潮文庫)。賭博小説の傑作。痛快。あっという間に読める読みやすさも吉。どこがいいかっていうと、カジノの「常打ち賭人」たる筆者のギャンブル観が明快なところで、確率的な必然を無視していない。つまりカジノでは大概のゲームは2%程度の胴元控除があるので、賭け続ければ確率的に2%の損失に収束していくことをちゃんと明言している。でありながら、しっかりとドラマを盛り込むことに成功しているのがスゴい。スゴすぎる。(01/06)

このアーカイブについて

このページには、2004年1月に書かれたブログ記事が新しい順に公開されています。

前のアーカイブは2003年12月です。

次のアーカイブは2004年2月です。

最新のコンテンツはインデックスページへ。過去に書かれた記事はアーカイブのページへ。

ショップ

国内盤は日本語で、輸入盤は欧文で検索。