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April 2, 2026

イングランド代表vs日本代表 親善試合

●代表ウィーク英国遠征第2戦は聖地ウェンブリー・スタジアムでのイングランド代表戦。W杯優勝候補と完全アウェイで戦う貴重な機会だが、な、なんと、勝ってしまったのだ、ニッポンが! イングランド 0対1 ニッポン。前回W杯から、ニッポンはスペイン、ドイツ、ブラジル、イングランドといったW杯優勝経験国に勝ったことになる。今回、イングランドにはハリー・ケインら主力にけが人が何人かいたが、ニッポンも遠藤、久保、南野らけが人が多数いたわけで、そこはイーブン。ちなみにイングランド代表監督はドイツの戦術家トーマス・トゥヘル。マインツ時代の岡崎慎司の監督だ。
●ニッポンは先日のスコットランド戦から大幅にメンバーを替えて、現時点でのベストメンバー。先発はGK:鈴木彩艶-DF:渡辺剛、谷口彰悟、伊藤洋輝-MF:佐野海舟、鎌田大地-堂安律、中村敬斗-伊東純也、三笘薫-FW:上田綺世。3-4-2-1というか3-2-4-1というか、ウィングバックにフォワード調の選手を置くいつもの攻撃的布陣なのだが、久保と南野が不在のため、2シャドーに伊東と三笘という、ふだんならウィングバックに入るサイドアタッカーをふたり置いたのが特徴。ウィングバックは堂安と中村。つまり2シャドーとウィングバックが完全に交換可能なのが特色で、流動的に入れ替わることができる。左サイドで三笘と中村が共存できることがわかったのは大きな収穫。これでボランチの一枚は鎌田で、そうなるとさすがにもう一枚はボール奪取能力が必要なので佐野海舟。布陣がスペクタクル。
●でも、相手は個の能力で勝るイングランド。序盤こそ精力的なハイプレスをかけたが、ボールは奪えず、ニッポンは無理せずミドルゾーンでコンパクトにブロックを敷く展開に。イングランドのボール保持率は66パーセント。体感的にはほとんどニッポンが守っていた。前半23分、三笘がボールを奪ってカウンターへ。左サイドを駆け上がった中村がドリブルで持ち込んで、中央にグランダーのクロスを入れ、これを三笘が落ち着いてゴール右下に流し込んでゴール。
●後半20分くらいまでは、ニッポンの組織的な守備がとてもよく、相手にボールを持たせながらも、自分たちのゲームをできていたと思う。イングランドはボールを持ち、シュートも多いのだが、実は枠内シュートがほとんどない。スタッツを見るとシュート21本を打って、枠内は3本。これはニッポンの守備の成功だと思う。ただ、後半20分すぎくらいからは様子が代わり、組織が機能しなくなり、耐えるだけの展開になってしまった。選手交代で瀬古 歩夢、小川航基、田中碧、鈴木淳之介、町野修斗、菅原由勢、鈴木唯人と投入されたのだが、クオリティは下がった。やっとボールを奪っても、前で収める選手がおらず、すぐにまた守備が続く苦しい展開で、終盤はほとんどギャンブル。
●ともあれ、イングランド相手にニッポンは初めて勝利できた。イングランドがアジア相手に負けたのは初めてなのだとか。さすがにここまで結果を残し続ければ、どんな強豪国も今のニッポンを簡単な相手だとは思わなくなるだろう。

April 1, 2026

METライブビューイング ベッリーニ「清教徒」(チャールズ・エドワーズ演出)

●27日は東劇でMETライブビューイング、ベッリーニの「清教徒」。演出はチャールズ・エドワーズ。METでは50年ぶりとなる新演出だとか。名作とされるわりに実演で聴く機会の少ない名作だが、このオペラのストーリーはどれくらい知られているだろうか。舞台は17世紀、内戦下のイギリス。清教徒側の娘エルヴィーラは王党派の騎士アルトゥーロと愛し合っており、これから結婚式を挙げようというところで、アルトゥーロは捕らわれていた王妃を助け出すために彼女を花嫁に変装させて逃亡する。アルトゥーロに裏切られたと思ったエルヴィーラは発狂する。このふたりの関係に、エルヴィーラに想いを寄せる清教徒側のリッカルドの思惑がからむ。こうして書いていてもわかりやすく書くのはなかなか難しいと感じるのだが、台本ははなはだ粗削りで、自分が劇場監督だったら赤字で真っ赤にして突き返すと思う。が、ベッリーニの音楽はきわめて洗練されており、優雅。抒情的な楽想が無尽蔵にわき出てくるといった様子で、なるほど、ショパンが魅了され、影響を受けたのはこれかと思う。物語より音楽が圧倒的に優位にある。
●歌手陣はエルヴィーラ役のリセット・オロペーサ(オロペサ)が圧巻。声の超絶技巧をたっぷりと。アルトゥーロ役のローレンス・ブラウンリーは、先日の新国立劇場「リゴレット」で公爵役を歌ってくれたばかり。声の甘さ、高音域での余裕が印象的。指揮はマルコ・アルミリアート。録音だから正確にはわからないけど、たぶん歌手にやさしくオーケストラをコントロール。演出はチャールズ・エドワーズ。全般にシリアスすぎるのと、独自のアイディアであるエルヴィーラを画家とみなす趣向が無理筋だと思ったが、舞台美術は荘重ですばらしい。あのエンディングはどう解したらいいんでしょうね。ハッピーエンドを嫌ったのか、どうか。
●これでベッリーニの三大傑作、「清教徒」「ノルマ」「夢遊病の女」をすべてMETライブビューイングで観たことになる。映画館なので、ライブとはまったく違ったリラックスしたモードで観に行けるのが大吉。

March 31, 2026

フェスタサマーミューザ KAWASAKI 2026 記者発表会

フェスタサマーミューザ2026 記者発表
●25日午後はミューザ川崎でフェスタサマーミューザKAWASAKI 2026記者発表会。この夏もミューザ川崎シンフォニーホールを舞台に首都圏+αのオーケストラの競演がくりひろげられる。登壇は左より東京交響楽団の廣岡克隆楽団長、福田紀彦川崎市長、オルガニストの松居直美ホールアドバイザー、日本オーケストラ連盟の望月正樹専務理事、さらにモニターにはオンライン参加でピアニストの小川典子ホールアドバイザー、ピアニスト&ヴォーカリストの宮本貴奈ホールアドバイザー。毎回思うけど、福田市長が記者会見に臨席するのは立派。市長からは、音楽祭の来場者アンケートでの満足度96%という驚異的な数字を紹介しつつ、年齢を問わず多くの人々にコンサートを楽しんでほしいというメッセージ。
●オープニングコンサートとフィナーレコンサートには、いつものように東響が登場するのだが、ジョナサン・ノットが去り、今回はオープニングの指揮を新音楽監督ロレンツォ・ヴィオッティが務める。ノットは最高の成功を収めたわけだけど、後任がヴィオッティというのもすごい話。楽員にたっぷりソロで活躍してもらおうという狙いで、ドビュッシー「牧神の午後への前奏曲」、リムスキー=コルサコフの「スペイン奇想曲」と交響組曲「シェエラザード」というプログラムが組まれた。フィナーレは今回も原田慶太楼。ファリャの「はかなき人生」からスペイン舞曲第1番、プロコフィエフのピアノ協奏曲第3番(久末航)、山本菜摘の「UTAGE~宴~」、チャイコフスキーの交響曲第5番という祝祭プロ。
●今年、地方から参加するのは仙台フィル。指揮は常任指揮者の高関健。サマーミューザには2度目の登場。ショスタコーヴィチの交響曲第9番とチャイコフスキーの交響曲第6番を組み合わせたプログラム。
●その他、目を引いたのはヴァイグレ指揮読響によるワーグナー(デ・フリーヘル編)の「ニュルンベルクのマイスタージンガー」オーケストラル・トリビュート。長大なオペラなので、こういったオーケストラ・ハイライトには独自の価値があると期待。太田弦指揮神奈川フィルはプログラムがおもしろい。アイヴズ(W.シューマン編)「アメリカ変奏曲」、グルダのチェロと吹奏楽のための協奏曲(笹沼樹)、サン=サーンスの交響曲第3番「オルガン付き」(澤菜摘)。新たにホールオルガニストを務める澤菜摘は会見に登場し、「サン=サーンスがオルガニストを務めていたパリのマドレーヌ教会のオルガンを弾いた経験があるので、それを思い出しながら演奏したい」と抱負を述べてくれた。

March 30, 2026

スコットランド代表vs日本代表 親善試合

●今週はインターナショナルマッチウィークで日本代表は英国遠征。スコットランド代表とイングランド代表と連戦する。まずはグラスゴーのハムデン・パークで対スコットランド戦。7大会ぶりにワールドカップ本大会出場を決めた相手とアウェイで戦う。ニッポンはけが人が続出しており、やや選手層が薄い。イングランド戦で現在のベストメンバーをそろえるのだろう、スコットランド戦はかなり新鮮なメンバーになった。
●先発はGK:鈴木彩艶-DF:瀬古歩夢、渡辺剛、伊藤洋輝-MF:藤田譲瑠チマ、田中碧-菅原由勢、前田大然-鈴木唯人、佐野航大-FW:後藤啓介。書き方が難しいけど、布陣はいつもの3-4-2-1。ただし、右ウイングバックにフォワード調の選手ではなく、サイドバック調の菅原由勢を起用しているのが特徴。逆サイドにはフォワードの選手である前田大然がいるのだから、左右のカラーはずいぶん違う。トップの後藤は191cmの20歳、ベルギーのシントトロイデン所属。臆せず堂々たるプレイだが、前線の攻撃のタレントが迫力不足であることは否めず。ボランチの藤田譲瑠チマと田中碧はボールさばきが巧みで機能している。藤田はマリノス時代から足元がしっかりしていて、グラウンダーのパスの質がほかの選手とは一味違っており(かつての上野良治を思い出さずにはいられなかった)、いずれ代表選出は確実とは思っていた。ただ、上手いのだが、リスクを管理しすぎるあまり、攻撃面で物足りなく感じることもしばしば。前田は悪くないが、もっと前でプレイしないと生きない。ニッポンがゲームを支配していたもののシュートが少なく得点の気配がしない。逆にスコットランドに決定機があったが、鈴木彩艶がビッグセーブ。
●で、この試合は11人まで交代が可能だったのだが、森保監督は後半開始から3人を交代、さらに後半17分に4人交代、後半33分に3人交代して、フィールドプレーヤー全員を入れ替えた! 攻撃の中心選手たちが入ったことで、がぜん、プレイの質はあがり、次々とチャンスを作ってスコットランドを圧倒、後半39分に伊東純也がゴールを決めて、これが決勝点に。スコットランド 0対1 ニッポン
●比喩ではなく文字通り途中から別のチームになったわけだが、終わった時点のメンバーは、GK:鈴木彩艶-DF:橋岡大樹、谷口彰悟、鈴木淳之介-鎌田大地-伊東純也、中村敬斗-堂安律、三笘薫-FW:塩貝健人、上田綺世。得点が欲しかったこともあってセンターバックの3枚以外、全員攻撃の選手という極端な布陣で、鎌田のワンボランチ、塩貝と上田の2トップになっていた。代表デビューの21歳塩貝はヴォルフスブルクでプレイ中。日本には珍しい野心満々の選手で、自分がゴールを決めてやるという意欲がプレイににじみ出ている。ゴールのシーンは塩貝がポストになってボールを落としたところに伊東が拾って決めた形だが、おそらく塩貝は自分の足元にボールを留めるつもりが流れてしまい、結果的にポストになったのだと思う。

March 27, 2026

東京春祭ディスカヴァリー・シリーズ チュルリョーニス

リトアニア室内管弦楽団
●26日は東京文化会館小ホールで「東京・春・音楽祭」の東京春祭ディスカヴァリー・シリーズvol.12 ミカロユス・コンスタンティナス・チュルリョーニス。リトアニアの作曲家チュルリョーニス(1875~1911)の作品を聴く貴重な機会。というか、チュルリョーニスはまず画家として知られていると思う。まもなく国立西洋美術館で「チュルリョーニス展 内なる星図」が開催されるのだが、チュルリョーニスはわずか35年の生涯で絵画と音楽の両方の分野に作品を残した芸術家であり、展覧会に連動して「東京・春・音楽」で音楽もとりあげられることになった模様。
●といっても、この演奏会、かなり不思議なプログラムでタイトルにチュルリョーニスと掲げられているが、チュルリョーニス作品は前半にしか演奏されず(しかもどちらも編曲作品)、後半に出てくる3人の作曲家、バルトゥリス、マルティナイティス、マルティナイティーテがチュルリョーニスとどういった関係にあるのか、ぜんぜんわからない。曲目解説を見てもどういう人か言及がなく、当日の布川由美子氏のレクチャーでも触れられないままだった。たぶん、3人とも現代リトアニアの作曲家だと思うのだが、詳細は不明。演奏はセルゲイ・クリロフ指揮のリトアニア室内管弦楽団。リトアニア室内管弦楽団というと、サウリュス・ソンデツキスの指揮で録音を耳にしているが、こうしてライブで聴ける機会が訪れるとは。
●そんなわけで、前半はチュルリョーニス(チェピンスキス編)弦楽四重奏曲ハ短調(弦楽合奏版)、チュルリョーニス(ソンデツキス編)5つの前奏曲、後半はバルトゥリス「わたしはシューベルトが好き」(クリロフのヴァイオリン・ソロ)、マルティナイティス「楽園の鳥たち」、マルティナイティーテ「魂の風景」より「春」。チュルリョーニスの作風は大きくいえばロマン派、国民楽派風で、もしもシベリウスやグリーグ、ドヴォルザークがリトアニアに生まれていたらこんな曲を書いたのでは、と思わせるもの。民謡風の楽想もありつつ、独自のポエジーも感じられる。後半の3人は現代の作曲家とはいえ、調性も拍もあって聴きやすいスタイル。ポスト・ミニマル風の短いフレーズの反復と、スマートさとローカル色の融合が基調か。さらにアンコールがあって、指揮者が作曲家と曲名を言ってくれたのだが、聴きとれなかったので公式サイトの情報をそのまま載せると、Jonas TamulionisのTOCCATA DIA VOLESCA
FOR STRING ORCHESTRA、J. NaujalisのSvajone。日本語表記がないと日本では決して広まらないので、表記を定めてほしいところ。
●セルゲイ・クリロフ指揮リトアニア室内管弦楽団の演奏はたいへんすばらしい。会場が小ホールあることを考慮しても、小編成なのに音に厚みがある。野太い音がするというか。日本の楽団にはないタイプの強い香りを感じる。表現意欲も旺盛で、演奏力によって作品価値を一段高めることのできる団体だと感じた。

March 26, 2026

東京・春・音楽祭 ヤノフスキ指揮N響のシェーンベルク「グレの歌」

東京・春・音楽祭 ヤノフスキ N響 シェーンベルク「グレの歌」
●25日は東京文化会館で「東京・春・音楽祭」のシェーンベルク「グレの歌」。これまで同音楽祭のワーグナー・シリーズで名演を聴かせてくれたマレク・ヤノフスキ指揮N響のコンビが、今年はシェーンベルクの記念碑的大作「グレの歌」に出演。これをもってヤノフスキの同音楽祭への出演は最後になるそう。明確にワーグナーの延長上にある後期ロマン派スタイルの作品だけに、一貫性のある締めくくりになった。超巨大編成、舞台上はぎっしり。歌手陣はヴァルデマール王にデイヴィッド・バット・フィリップ、トーヴェにカミラ・ニールンド、農夫にミヒャエル・クプファー=ラデツキー、山鳩にオッカ・フォン・デア・ダメラウ(当初予定から変更)、道化師クラウスにトーマス・エベンシュタイン、語り手にアドリアン・エレート。後半から登場する合唱は東京オペラシンガーズ。休憩あり、字幕あり。
●歌手陣は高水準。ヴァルデマール王は巨大編成の咆哮と戦わなければならないので、基本的には人間の非力さを「聞こえない」ことで表現するものだと思っていたが、デイヴィッド・バット・フィリップはむしろよく聞こえると思った。2019年に「グレの歌」が3公演もかぶった奇跡の年があったが(カンブルラン&読響、大野&都響、ノット&東響)、その「グレグレグレの歌」イヤーの記憶からすると、この王はかなり強く、タフ。ニールンドも文句なし。ダメラウの山鳩も立派。この役はお得かも。
●主役はやはりヤノフスキ&N響で、ワーグナー同様の厳格なスタイル。濃厚なロマンに耽溺することなく、きびきびと音楽が前に進む。豪放磊落な音の洪水ではなく、クライマックスまできちんと制御された音響設計で、明瞭壮麗。87歳なのでさすがに足元は心配になったけど、年齢からすると信じられないほど矍鑠としている。
●で、改めて感じるのは「グレの歌」という規格外の作品が持つ多面性だろうか。イェンス・ペーター・ヤコブセンの原詩にもとづき、ヴァルデマール王とトーヴェの悲恋(?)が描かれる。とくに第1部は音楽的にも物語的にも拡張版ワーグナーであり、「トリスタンとイゾルデ エクステンディッド・エディション1913」を聴いている感覚になるのだが、王とトーヴェは「大地の歌」のように交互にしか登場せず、第2部でトーヴェが王妃によって殺されたことがわかる。王は嘆き、神を呪う。身も蓋もないリアリズムでいえば、王は犠牲者のようにふるまってるけど、王妃のほうこそ犠牲者なんじゃないの、って気もするわけだが、王と王妃の関係は原詩でも描かれていない模様。王妃には王妃の正義があり、王妃の物語があったんじゃないかと思うんうすよねー。
●それで、第3部になると王はもう死んでいて、家臣といっしょに棺桶からよみがえって、暴れる。ここはもう「トリスタンとイゾルデ」的な世界観を超越している。亡霊たちの狩り、ワイルド・ハントだ。これは現代的な解釈ではゾンビの襲来と呼んでいい。でも、どうして王が亡くなったのかは原詩にも描かれていないと思う。どう考えても王にワーグナー的な救済は訪れなさそうだが、音楽的には「見よ、太陽を」で眩暈がするほど輝かしい結末を迎える。これをどう受け止めればいいのか。日が昇り、亡霊たちは消える。個人の救済の物語などには一切の関心を示さず、ただ太陽は大地を照らし、絶対的な存在としての自然がそこにある。そんなアンチ・ロマンに着地するのが「グレの歌」のおもしろさなんだと思う。

March 25, 2026

J1百年構想リーグ、マリノスが川崎フロンターレ相手に大量得点

●昨季に続いて今季もマリノスは茨の道で、びっくりするほどよく負ける。基本、どの試合も負けるのだ。が、先週末の川崎フロンターレ戦ではまさかの大量得点で今季2勝目をゲット。国立競技場の試合で川崎ホームの扱いだったが、川崎0対5マリノスで完勝。実は開始早々に川崎がいきなりゴールを決めたのだが、VARの結果、オフサイドに。マリノスは前半に谷村海那がゴールを決め、後半は天野純、天野純、ユーリ・アラウージョ、ジェイソン・キニョーネスと続くゴールラッシュ。天野は遠野大弥の負傷退場を受けて後半から入ったにもかかわらず、2ゴール1アシストの無双ぶり。
●で、0対5という結果を見ると、よほど川崎が酷かったのかと思うが、DAZNで観戦したかぎりではそうでもない。たしかに運動量やハードワークの面でマリノスが一歩勝っていたとは思うが、内容的にはどうかな。試合終了後の中継で紹介されたゴール期待値(膨大な統計をもとに算出される)は、小数点以下を丸めると川崎2対マリノス3。これが実感に近い。確率的なばらつきによって0対5になったのであって、サッカーではこういうことがたびたびあるものだと思う。
●ちなみにボール保持率は川崎が62%、マリノスは38%。やはり今のマリノスはボールを持たないと勝つ。パス本数はわずか259本、成功率も76%しかない(川崎は569本で83%)。ボールは持たない、つながない。早めに前に蹴って、走って、バトルする。悔しいが、このスタイルが勝利への近道になっている。

March 24, 2026

TOPPANホールで北村陽のチェロ・リサイタル

TOPPANホール 北村陽
●20日はTOPPANホールでチェロの北村陽。前半にサーリアホの「ララバイ~無伴奏チェロのための」(2018)、ショスタコーヴィチのチェロ・ソナタ ニ短調、クレンゲルのチェロとピアノのためのスケルツォ、後半にナディア・ブーランジェの3つの小品、プーランクのチェロ・ソナタという意欲的なプログラム。ピアノは薗田奈緒子。一昨年の同ホールのランチタイムコンサートで北村はリゲティ、三善晃、コダーイらによる無伴奏リサイタルを聴かせてくれたが、冒頭のサーリアホはその続編のよう。全編にわたり、尋常ではない切れ味の鋭さに加えて、パッションが豊か。2004年生まれということだけど、エネルギーにあふれていて、濃密。今だからこそできる音楽を聴いた感。ピアノとの息もぴったり。
●前半のおしまいが重いショスタコーヴィチ、後半のおしまいが軽妙なプーランクというプログラムは、なんだか逆みたいにも思えたのだが、聴けば納得。プーランクの終楽章は軽妙なだけではなく、荘厳だったり、壮麗だったり、いろんな要素が短い音楽のなかに渾然一体となっていて、締めくくりにふさわしい。この楽章の冒頭部分(おしまいでドラマティックに回帰する)が、すごくカッコいい(ブリテンの無伴奏チェロ組曲第1番冒頭に似てるなと思ったのだが、帰ってから録音を聴いてみたらそんなに似てなかった……)。ナディア・ブーランジェを聴けたのも収穫。リリではなくナディエのほう。
●アンコールに祈りのような「鳥の歌」。これで終わりと思ったが、さらにロストロポーヴィチの「ユモレスク」という無窮動風の技巧的小品を爆発的に。本編に劣らず鮮烈で、圧倒されるばかり。

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飯尾洋一(Yoichi Iio)

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