
●はっ、宇都宮美術館で「カンディンスキー 世界は鳴りひびく」なる企画展が開かれているではないの。9月3日まで。今月は繁忙期なのだが、お盆の時期ならなんとかなりそうだったので、慌てて宇都宮へ。前回、「ゴッホの跳ね橋と印象派の画家たち」展で初めて足を運んで、その環境のすばらしさと展示の充実に驚いたのだが、今回はカンディンスキー。なぜそんな強力な企画展ができるかと思えば、これは日本のあちこちのコレクションを集めたものなのだとか。なるほど、そんな手が。宇都宮で始まり、その後、宮城県美術館、長野県立美術館と巡回する。東京には来ないわけだけど、もし来たら大混雑必至。宇都宮なら週末でも適度な人出で、ゆったりのびのびと鑑賞できる。すばらしい。

●抽象画以前のカンディンスキーをたくさん見ることができるのが吉。これは「商人たちの到着」(1905年/宮城県美術館蔵)。夢に見た光景が着想源らしいのだが、わらわらと無限に人が湧いて出てくる感じがいい。妙に幻想的で、想像力を刺激する。ちなみに撮影は不可。カンディンスキーは著作権が切れているので、代わりに拾い物または別の場所で自分が撮影した写真を貼る。

●こちらは「3本の菩提樹」(1908年/アーティゾン美術館蔵)。これは日本橋のアーティゾン美術館でなんども見ているが、こうして別の美術館、別の文脈で見ることで、まったく新鮮な気持ちで見ることができる。ぱっと見、1本の木に見えるんだけど、どうなのかな。ほかのこんもりした部分も木として数えると、こんどは3本よりたくさんにも思える。抽象化へ一歩ずつ進んでいる感じ。

●こちらは東京国立近代美術館でなんども見ている「全体」(1940)。カンディンスキーといわれてまっさきに思い出す作風。サーカス的、パレード的な楽しさと、原生生物っぽい生命たちの祝祭。「全体」であり総集編的ななにか。

●今回、ひとつ発見あり。宇都宮駅と宇都宮美術館を往復するバスはとても本数が少なくて、時間帯によっては1時間に1本もない(とくに週末は減る)。帰りなんて「このバスを逃したら次は1時間半後」みたいな状態だったので、かなりドキドキする。県外勢にはアクセスが厳しいわけだが、Yahoo!路線検索によると、駅から「ニュー富士見行き」のバスに乗って「帝京大学」で下車すると、そこから徒歩13分で宇都宮美術館に着くと出る。これを実際に往路で試してみた。もし歩道らしい歩道のないような歩くのが怖いタイプの車道だと困るなと案じていたが、ぜんぜんそんなことはなく、ふつうに歩ける道だった。ただし、行きはやや登りになる。徒歩13分を受け入れられるなら、これと美術館直行のバスを併用することで、バスの利便性はだいぶ高まる。よく考えたら東京都現代美術館だって、清澄白河駅から徒歩13分、木場駅からなら徒歩15分以上。あれと同じくらいの距離感ではある。









